2015年11月5日木曜日

トレッキング  ~大蔵経寺山

今日は、普段はあえて登ろうと思わない山へ向かいます。
奥秩父山地が甲府盆地に落ち込む最南端の山で、麓のお寺より名付けられた大蔵経寺山です。
というより、石和温泉駅のすぐ北にある山で、JRでも中央道でもすぐにわかると思います。


”山梨百名山”にも数えられていますので登山者は少なくないのですが、”ヤマレコ”などを見ても評判はあまりよろしくないようです。
歩きにくい、美しくない(崩落防止でコンクリートで固められている)、山頂の眺望がない。そもそも高さがない、など散々です。(笑)

そんな山がなんで、山梨百名山に選ばれているのか、それはやはりこの絵からでしょう。
葛飾北斎の富嶽三十六景の一枚、「甲州伊沢暁」がこの大蔵経寺山から石和の眺望と言われています。
展望台にはこの看板がありました。


また、山頂から尾根を東におりた通称”御室山”には、山梨の地名の元となった、山梨岡神社があります。
「古事記・日本書紀」の時代に、山麓の現社地にあった梨の木数株を伐採して”甲斐嶺山梨岡”と名付けたそうです。
毎年4月には、春日居の”笈形焼き”として御室山側の斜面には電飾が灯されます。

これは御室山の長谷寺の僧徒と、勝沼の大善寺の僧徒が大喧嘩して、互いに笈や鳥居を強奪し焼き払った名残りだそうです。
ちなみに勝沼側は10月のぶどう祭りのハイライトの”鳥居焼き”だそうです。知らなかった...

てっきり、京都の”大文字五山送り火”の真似かと思ってました。こちらは生臭過ぎです(笑)

とにかく、このあたりは神社やお寺が多いので歴史のある場所なのは間違いないようです。
史跡の多い山なれど、トレッキングとしては確かに微妙でした。

登山道の入り口には厳重な柵があります。
これは鹿柵ではなく猪避けでした。恐らくこの猪でしょう、林道はいたるところが掘り返されており歩きづらいです。
昔は整備されていたらしいのですが、なまじ人の手が入っているので余計に荒廃して感じてしまうようです。
途中はさておき、杉林を抜けるとミズナラやクリなどの明るい森となり、軽快な尾根歩きを楽しめます。
稜線の上ですが、なだらかな低山のため明るい森がずっと続いています。


ここは歩いてて楽しいんだけど...

あれっ? 
どこまで行っても山頂の標識がない...


引き返すと、まだ登り坂の途中に三角点と山頂の標柱がありました。
ここで終わりにしたら、確かにこの山は楽しくないかも。


せめてもう少し先まで行ってから休憩した方が良いです。
眺望は...最初の展望台だけです。


帰路は展望台側と反対の山神社側におりました。
こちらは、ルートを探しながら、足をとられないようにしっかりつま先を上げて歩く。 いや、走る、かな?

... はっきり言ってトレーニングの山です。

途中、山神社前にはこんな石段もありますし。
高校生の部活にはもってこいかと。


今さらながら、日本百名山とか有名な山って歩きやすいですよね。
今日もまた実感できました。




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