夏の職場のお話です。
普通、音楽を聴くためのCDやステレオの接続はL/Rの2チャンネルだけですので、接続されるケーブルは紅白に色分けされた物が使われています。恐らく誰でも一度は見たことがあると思います。
音楽制作や音効の現場では、ミキサーなどに接続するケーブルは8チャンネル以上、24本や48本なんていうのは普通にあります。そこでわかりやすくするために、これらに接続されるケーブルはあらかじめ両端に番号がふってあります。より見やすくするため、抵抗などに使われるカラーコードで色づけされてる場合もあります。
そんな場面で、ミキサーのチャンネル1に任意の機材をつなぐ場合、必ずしも”1番”とラベルをつけられたケーブルを使う必要は無いのですが、なぜかケーブルに番号がついていると、チャンネル番号に合わせたケーブルを探して接続してしまうんです。
複数の人員で作業が進められる場合は、そういった配慮は後々の作業効率をあげるために必要なことなのですが、あくまでも一人で作業する場合や、検品作業ですぐにケーブルを抜き差しする場合など、あまり意味がありません。
それでも、ケーブルに番号がついているとわざわざ探してしまいますし、カラーコードの場合も、頭の中で「茶=1、赤=2、橙=3...」と唱えながら、もしくは実際に口ずさみながらケーブルを探してしまいます。
これを、私は”プロっぽい”と勘違いして毎度毎度作業していたのですが、うちのボスはこれを、「無駄!」と考え、順番を探さないケーブルのラベルを考え始めました。
で、いきついたのが”動物ラベル”シリーズです。順番のない図柄をケーブルの両端につけるというもので、現在、この会社のケーブルには、熊さん、像さん、犬にペンギン、ライオンさん、等々のラベルがついています!!
確かに、検品中、ケーブル接続の時間は短縮されました。さすがです。ある現場では正しい手順が、他のところではあまり意味がない、ということがある、という実例でした。
スキーでも、過去には絶対に必要な動作だったのが、現在の道具ではあまり意味のない動作だった、なんてのがいくつも存在します。
”本当にそれでいいのか?”って、いつも自問自答する気持ちは常に持ちたいですね。どうやら、日頃、いい気になって、気持ちよくなってるところに無駄が隠れているようです。この件は本当に勉強になりました。
しかし、商用スタジオでクライアントの前で、「1番のケーブル抜いて」の代わりに「ペンギンさん抜いて!」なんて言っていたら恐らく仕事無くしますよね...
あくまでも、ケースバイケースで、ということで。
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