2022年8月4日木曜日

前に進む = 落ち続けること

”スキーで前に進む、ゴールに向かって行く”、ということは、坂を自分から落ち続けていくことと同じなんです。


傍で眺めていたら、当り前のことかもしれませんが、実は大人になってからスキーを始めた人、レース経験のない人にとって、感覚として理解するのがとても難しいことなんです。
僕はスキーで一番難しい課題だと思っています。

乱暴に言い切ってしまえば、しっかりとスキーに体重を乗せ続けるためには、身体がスキーより前に(先方に、フォールライン方向に)進んでいないといけないんです!


緩斜面でしたら、なんとなくスキーと一緒に進んでいけるのですが、急斜面やアイスバーンになったとたん、立ち止まろうとしたり、スキーを横に向けようとしたりで身体が遅れてしまうことにより、スキーのエッジが外れてコントロールが効かなくなってしまいます。
この状態ではそもそも運動することができませんので、とにかく姿勢を維持しようとして身体が硬直したまま身動きがとれなくなってしまいます。
これはスキーのトップが浮いた状態ですので、結果として曲がることも止まることもできないことになります。


サマーゲレンデでエッジが効かないとか、怖い思いをする、というのはそのほとんどの原因がここにあります。

雪でしたら、スキーが沈んでエッジが食い込んでくれますので、ターン内側に倒れこみながらエッジを引っかけるだけでもカービングっぽい真似はできますが、アイスバーンやサマーゲレンデでは全く通用しません。「歯が立たない」という状態ですね(笑)
この方法ではエッジを研いでも、やはりエッジがかからずすっぽ抜けてしまいます。

基本に忠実に、ターン外側のスキーのインエッジに腰をしっかり乗せて、外足荷重を行ってはじめて、エッジが効き出します。
しかし、この荷重というのが曲者で、スキーより前に進み続けていないと的確に体重を伝えられません。重力方向(地球に垂直)に体重をかけてしまうと、急斜面やアイスバーンではすっぽ抜けてしまいます。

以上のポイントは図で見ると理解はし易いのですが、実際にスキーをしていて身体で感じられるかというと、最初に申し上げたとおり、これがなかなか難しいんです。
僕自身はサマーゲレンデに通って、ようやく理解することが出来ました(笑)

”ブレーキを踏みながら進む”、そんな感覚から、”アクセルワークやエンジンブレーキで走り抜ける”、そんな気持ちの転換が必要でした。

雪の上よりシビアな分、わかりやすいと思いますので、雪国育ちでない方、大人になってからスキーを始めた方は、ぜひサマーゲレンデで体験していただけたら、と思っております。




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